テールエンダー in 北海道

北海道内外のトレイルレースでテールエンダー(最後尾役)を務めているe-ichiのブログでございます

摩周岳(カムイヌプリ・857m)登山

8月26日、摩周岳(カムイヌプリ・857m)登山へ行ってきました。

 

 

摩周湖は何度も訪れていますが、この山に登るのは初めて。
 

 

すぐ近くの西別岳根室ランチウェイを家族で踏破した時に登っているのですが、摩周岳の山容はとても険しく、軽い高所恐怖症の自分は「怖いわ〜」と思っていましたが、妻からの提案でミク(ワンコ)を連れて登ることに。

 

登りはじめの第1展望台付近から見た摩周岳はピークだけ見えていて雲がかかっていました(左から2番目のトンガリが目指すピーク)。

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妻が一目惚れしたカリマーのザック

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登り始めてすぐ、摩周湖と反対側の空は青空が広がってきました。

コレは期待できるかも。

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雨上がりで蒸し暑く、ファイントラックのベースレイヤーを着ているからまだ良いけれど下山時にはセカンドレイヤーはビショ濡れで、重力で落ちてきた汗が尻に集中し、尻がビショ濡れでした。妻に確認したところ、妻もビショ濡れだった模様(笑)

 

 

丁度中間地点辺りでベタな記念撮影

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ここから目指すピーク(一番右側のトンガリ)を見ると、とても登れそうにない絶壁に見える。 

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小休止の後、歩き始めると湖の反対側に西別岳(右のピーク)とリスケ山(左の少し尖ったピーク)が見えてきました。

 根室ランチウェイを踏破した時はあっちの方から来たんだよなぁ。

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因みに「リスケ山」のリスケとは「加藤利助」さんのリスケなのですが、この利助さんは昭和29年に山から7km先の虹別原野に入植、酪農業を営むかたわら30年代後半から営林署の植林事業に長く従事しているうちに西別岳の魅力に取り付かれました。

 

以来、自主的に登山道の整備や高山植物の盗掘防止のパトロールを通し、保護活動に努めてこられました。その功績が関係各位の皆さんから無名の山頂に「リスケ山」という名前を送られたとのことです。

 

ちなみにこの利助さん、まだご存命でいらして、日本中で現存の方の名前が付いている山はここだけではないかとの話です。

 

 

西別岳と摩周岳の分岐に到着すると、摩周岳から降りてきてベンチで食事を摂っている男性に会いました。

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『これからどちらへ?』

「摩周です」

『スゴイですよ…虫が…崖が…』

「聞いてはいましたが、やはり!」

『食事どころではなくて、背負ってるザックの中にまで入り込んできてました』

 

事前のリサーチで山頂には羽蟻が沢山いて大変 という情報を得ていたので、あまり驚きませんでしたが「崖が…」というのは?

 

突っこんでは訊きませんでしたが、まぁつまり結構ヤバイ所であるということを言いたかったんでしょうね。

 

まぁだって、遠くから見ただけで断崖絶壁の山容ですもん。

メッチャビビっておりましたよ。はい。

で、この男性の言葉でさらにビビリ度が高まりました。

 

妻と二人、思い切りブルーになり歩き出します。

「話し、訊かなきゃよかったね」(苦笑)

 

さて、事前の情報で得ていた残り0.4kmの看板まで来ました。

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ここでコースの高低差図を出しますが、この山の登山はここからが本番というか、ここの0.4kmだけが「登山」って感じです。

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この急登を自分がミクを抱っこしながら登り降り出来なさそうなら、登頂を諦めるか、一人ずつピークを踏みに行くという約束で来ました。

 

さて、登ってみると…その基準をギリギリ満たす感じの斜度でした。

これ以上傾斜がキツいと登りは良いけれど降りが危ない。

 

「ギリギリ」っていうのは山でのリスク管理としてはアウトかなって思うのですが、リスクを承知の上で登山続行しました。抱っこのまま降りられなくても、少しでも危ないと判断した場合はミクを地面に降ろし、自分だけ段差を降りてからミクを受け取る という手段で行けると判断したからです。

 

もし、コレを読んでいる方で摩周岳にワンコを連れていこうと思っている方がいたら、必ず自身でリスク管理をした上で行ってください。摩周岳はネットで見ると難易度がかなり低く設定されていますが、最後の急登だけは用心が必要です。我々(大人二人+ヨークシャー・テリア9歳)が行けたから行けるとは限りませんのでね。

 

それとマナーの問題もあります。

犬猫(人もですが)の糞尿を残すことは確実にマナー違反かと思いますので、必ずおむつをするなどの対策が必要ですし、そもそも犬を山に連れて行っていいのか?っていう問題もあります。

 

自分が調べた限り、日本国内の法律の中では犬の入山及び愛犬との登山を禁止する法律は存在しないと思います。だからといって山によっては生態系の保存や衛生面と、様々な事情から人間以外の登山を禁止する山もありますので、やはり行く前にその山を管理している機関などに問い合わせるのが間違いないと思います。

 

目指すピークは後ろに見える3コブの真ん中。

体力に自信の無い妻は急登に備えてザックをこの場所にデポしました。

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急登を一歩ずつ確実に登っていきます。

この辺りから空を覆っていた雲が無くなって青空が広がりました。

暑い…暑い…暑い ぼやきが増えます。

 

そして少し視界が開けてきたと思ったら…山頂!!!

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スタート時には曇っていましたが青空が広がり、絶景を堪能しました。

 

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しかし、他の登山客の方から仕入れていた情報通り、山頂標識の根元に羽蟻の巣があり、そこから沸いて出てくる大量の羽蟻。
 

大群で集られるので、とてもじゃないけれど長居できず、写真を一通り撮って逃げるように山頂を後にしました。

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山頂の半分は断崖絶壁で切り立っているので857mとは思えない高度感。一歩一歩、滑落の恐怖から足がすくみました(笑)

 

恥ずかしながら崖側の写真はガクブルでまともに撮れませんでした。

これまで踏んだピークの中で一番怖かったかも。

 

ミクもビビリ気味で、小さく震えてました。

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山頂を去る直前に一人、男性が登ってきたので写真をお願いしたのですが、妻のスマホのレンズに水滴がついたのか汚れていたのか…イマイチの写真となってしまいました(T-T)

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妻のザックをデポした場所に戻り、やっと昼ご飯。

セイコマのホットシェフのおにぎりを持って来ましたが、予想外の高気温で、もしかしたらアメってるかなと心配しましたが、美味しく食べられました。

 

あ、「あめる」っていうのは北海道弁です。

食べ物が腐るって意味ですね。

 

下山中、逆光で道の両脇の笹がキラキラ光る場所がありました。

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ちょっとスマホカメラでは表現しきれない感じなのですが、すごくイイ風景だった。

もう少しハイアングルから、向こうからこっちへ走ってくるランナーを逆光で撮ればトレラン雑誌の表紙に出来るなぁ。

 

下山中に撮った作品その1

「雲に隠れてしまったピークに黄昏れるアラフィフ」

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作品その2

「ヤッホー」

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写真、妻の方が上手いな(笑)

 

 

休み休み行ったのと、ミクを終始抱っこで連れて行ったのでコースタイム4時間半のところ、往復6時間の山行でした。

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出発点の摩周第1展望台へ戻り、着替えた後、コーラと揚げいも・いももちで一服。

コーラが染みる〜♪

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疲れたけれど大充実の1日。
摩周岳、オススメです!!!

さて次はどこの山に登ろうかな♪