テールエンダー in 北海道

北海道内外のトレイルレースでテールエンダー(最後尾役)を務めているe-ichiのブログでございます

サロマ湖100kmウルトラマラソン 無事完走!

ここ数年のサロマ湖100kmウルトラマラソンは準備を怠ったランナーには否応なくDNFのカードを切ってきます。


今年も真夏から真冬へ、波瀾万丈の天候となりました。


「北海道をなめんな」っていう総括になるわけですが、何とか今年も完走してきましたので、レースの記録として駄文を記しておきます。



当日朝3時起床


家ではいつもリビングでミク(ワンコ)と一緒に寝ていて、朝3時になるとミクが顔を舐めに来るのでアラームいらずで目覚めるのです。


おにぎり2つ
バナナ2本
スポドリ(ダカラ)で流し込む。
予防的に胃薬。


外を見ると雨がパラリ。


でも、身体を濡らすほどではなさそうなので
ファイントラックのベースレイヤーにサロマチャレンジャーTシャツ
この上にモンベルのペラペラ(EXライト ウインド ジャケット)でスタートすることに。

54.5kmの大エイドに送るドロップバッグには着替え一式と、トレントフライヤージャケット、防水の手袋とキャップを入れる。




妻に車でスタートまで送ってもらう。
4時20分到着で荷物を預け、無料配布のアミノバイタルをブースに貰いに行く。


ラン友さんに何人かご挨拶できたけれど、みんな忙しくしているからあまり長話はせずスタート整列に向かった。


いつも思うけれど、後からきてスーーっと前に割り込んでくる人達。
何なんでしょうね?
頭かち割って中身を金魚の餌にでもしてやりたいね。
あ、金魚に失礼でしたね。


あ、あとね、毎年言ってるけど立ち小便野郎ね。
たとえ完走していたとしてもお前らは認めない。
「禁止」看板の横でやってるのは呆れるばかり。




パラついていた雨はあがって、時折日が差してきた。

心の中で叫ぶ

いくぞっ


5時号砲!
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設定ペースは6分30-40秒のつもりで走り出したものの

周りのペースに引きずられてしまい、30kmまでキロ6付近のペースになってしまった。

速すぎ と思いつつも、特に問題は発生しなかったので、流れのままラップを刻んでいく。





14〜15km辺りだったか
スパイダーマンの仮装をしたランナーに抜かれる。


スパイディ氏 

ラン仲間のチャーリーさんのブログでスパイディさんのことを知り、それ以来彼のファンとなりブログを熟読していたのだけれど、サロマにも出ると聞いていて会えるかなぁと楽しみにしていた。


彼の人物像はチャーリーさんのブログが詳しいので割愛しますが、仮装ランへの飽くなき追求というか愛というか、彼は確かにその道のプロフェッショナルなのではないかと思う。


仮装は徹底しており、言葉は発しない。
しかし、こちらからの話しかけには頷きやサムズアップで応えてくれる。
堅い握手を交わして正義の味方は素晴らしいスピードで前方に消えていった。




30km過ぎから雨が落ちてきたものの、すぐに天候は回復し真夏のような日差しが。

時折、雲に隠れつつも着実に直射日光に身体が蝕まれていった。


こんなん聞いてないわっ!

暑い暑い暑い!!!




エイドごとにかぶり水。

キャップにはシャーベットの氷を詰めて被る。



40kmに到達する頃には、暑さで意識が薄らいできた。
42.195kmのモニュメントを過ぎてからはついに歩きが入ってしまう。


珍しく3日前から断酒もしてきたっていうのにこの仕打ちですか、そうですか…


この感じ、俺、知ってるんだ〜


このままだとDNFだよね〜  そだね〜



ひとまずこの先の54.5km大エイドでどうするか考えよう。
それまで耐えるんだっ、俺っ!


ひたすら身体を前に進めていると…50kmを過ぎた辺りで背後から


「あれっ? e-ichiさんじゃない?」の声


振り返ると今回100kmウルトラ初挑戦のラン友、GOさんとトモちゃんのコンビだった。


52km〜54.5kmの間でトモちゃんが撮ってくれた1枚
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※ 手前、自分。その前、GOさん。俺、猫背だな…


彼女たちは、とても真面目にサロマに取り組んでいて、もの凄い練習量をこなして来ているのを知っている。絶対に完走して欲しい。


そんな彼女らを前にサロマの先輩である自分が「次のエイドでやめる」なんて言えるわけなかろう!


俺が足を引っ張ってどうする! バカチンがぁぁぁぁ!!!


いや、二人がトイレに行っている間に、大エイドの混雑に紛れて消えてしまうという手もある…などと考えていたらGOさんに見つかってしまった。


くぅぅぅ〜 行くっきゃないぜっ!


奇しくもサロマ初挑戦の二人の女神に救われた瞬間でした。
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大エイドではベースレイヤーとTシャツを着替えたものの、かなり穏やかな天候だったのでトレントフライヤージャケットを持ち出すことも無く、モンベルのペラペラで大丈夫という判断で出発した。


ところがコレが裏目に出る。


順調に60kmを過ぎ


キムアネップ岬、魔女の森、齊藤商店エイドと来て70km関門へ到達。


ここから天候が急変した


湖からもの凄い勢いで冷たい風とガスが迫ってきて、一気にあたりは真っ白に。


鶴雅リゾートまでの長い直線で、横殴りの雨になって来た。


そしてこの時、モンベルのペラペラが本来の機能を全く果たしていないことに気づくのであった。


EXライト ウインド ジャケットは本来、ポルカテックスという世界最高レベルの撥水性能(防水ではない)を持つ素材で作られているはずなのだけれど、度重なる洗濯による劣化のせいか撥水が効いていないどころか、浸水しまくりで身体がビショ濡れ状態に。


しっかりとした雨具を着ているランナーが羨ましい…


幸い、風は凌いでくれているので動いている限りは寒さはそれほど感じない。
でも、このままワッカに突入して動きを止めたらそれは死(低体温症リタイア)に直結する。




75km手前の鶴雅リゾート私設エイドではそうめん、お汁粉をしっかりいただく。
温かいものがありがたい。

ここのテントに入らせてもらって、ずり上がったインナーを正し、ワッカへ入る準備をする。

雨風への準備が無い多くのランナーはここでDNFを決めていたようだ。




水溜まりを除けるのも面倒になって来た頃、80km到達。



いよいよワッカへと突入した




すれ違いでゴールへ向かうランナーの顔には安堵の笑みが浮かんでいる。

地獄のような天候のワッカから生還した という笑みだろうと解釈。

それぐらい、これから進む約18kmのワッカの道のりは険しいことが予想された。




木々に囲まれ風から守られていたエリアを抜けてオホーツク海サロマ湖を見渡す開けた場所へ出る。いや、もう辺りは真っ白で見渡すことなどほとんどできない。


猛烈な向かい風


笑っちゃうぐらいの暴風雨


ひたすら動き続けなければ死が待っている


エイドではエマージェンシーシートに包まった屍が昨年同様転がっている。




87km付近、先行していたトモちゃんとハイタッチ!

元気だ。彼女の方からこちらに気づいてくれた。

彼女は大丈夫!
トモちゃん、完走おめでとう!!!




ワッカ折り返し前の最後の橋。

吹っ飛ばされそうな向かい風。

今なら特別な仕掛け無しにマイケルジャクソンのスムーズ・クリミナルのPVで有名になった「斜め立ち」ができるであろう。

スマホを出して動画を撮ろうとしたけれど、飛ばされそうなので諦めた。



こんな風、反則やぞ!!!




文句を垂れながら折り返すと、当然ながら追い風になった。



両手を広げ全ての風を味方につけた





90km過ぎ
前方のトイレに並ぶGOさんが見えた。


トモちゃんと一緒じゃなかったし、途中ですれ違ったのにも気付かなかったので、もしや?と思っていたけれど良かった!!!


一瞬、このまま待って一緒にゴールに向かおうかなと考えたけれど、それは失礼な話だった。


それぞれのランナーにはそれぞれのランニングがあるのだ


彼女の表情も勝利を確信しているようだったので安心して歩を進めた。
GOさん、完走おめでとうございます!



一枚ぐらいワッカの写真が欲しいと思ってスマホを出した。
思考がまともじゃないので構図も水平線もクソも無い。
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すでに雨は弱くなり、風も穏やかになりつつあった。


ワッカを後にして残り2km。


妻に電話してもうすぐゴールを伝える。



ゴール前500mに
見慣れた人


一緒にモンブランまで行った洋さん!!!
花束を渡してくれた!!!
泣きそうになる。


そしてゴールへと曲がる手前で妻とミクが寒い中、待っていてくれた。


ミクを抱き上げて一緒にビクトリーロードへ

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満面の笑みで進めっっっ!!!



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ゴール前ではラン仲間のかをるさんが声をかけてくれて、
また泣きそうになりながら拳を突き上げた。



ひとかけらも余裕など無かったけれど
無事にゴールできた\(^o^)/


家族・仲間・運営の方々・ボラの学生さん達

みんな みんな ありがとう!!!

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ゴール前で写真写りのための調整で二人ほど先に行ってもらったおかげか、キリ番をゲットしたようです(笑)

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こんな動画を作ってくれるサービスもありました。


今年は世界記録も生まれたようです!速すぎ!



サロマ湖100kmウルトラマラソン、素敵な大会です。

みなさまのお越しをお待ちしておりますね♪