テールエンダー in 北海道

北海道内外のトレイルレースでテールエンダー(最後尾役)を務めているe-ichiのブログでございます

第4回 みちのく津軽ジャーニーラン 177k その3

22.2kmの嶽(だけ)温泉ガリガリ君をゲットし、オーバーヒート気味のエンジンがほんの少々冷却された。次に目指すは49.3km地点の日本海拠点館・あじがさわ

 

この間、約27kmはエイドが無い。

自販機があるにはあるが数が少なく、昨日263kmの部のヘンタイ、もといランナーが通った後のため「売り切れ」となっている可能性が高いのであてにはできない。

 

嶽温泉を後にしてしばらく進むと気持ち良く脚が前に出るくだりになった。

県道3号線の峠のくだり、日陰も多く、調子に乗って飛ばしてしまった。

しかし脚を使ってしまったとはいえ、ここの区間で作った貯金は結構大きく、利息こそつかないものの、大きな心の支えとなったように思う。

 

くだりきってフラットになって来た頃、チラホラと民家が見えて来て集落の中を進む。公民館のような建物の横に見事な花壇が置かれていたので思わず写真を撮る。

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 近くの民家から、腰が90度近くに曲がっているおばあさんが出てきて「お前さんこんなところで何しとるだ?」的なことを津軽弁で話しかけられる。色々と事情を説明したら、家に寄って休んでいけと。ご飯も食わしてやるし、風呂入れて布団も敷いてやる と。

ほんと弱っているときの優しさって涙出そうになりますね。

丁寧にご遠慮して再び走り出す。

あんな優しいおばあさんが、どうかオレオレ詐欺などに引っかかりませぬように。

念ずる。

 

そしてやっと道端に自販機を発見したのだけれど、どうやら殆ど売り切れっぽい。

っぽい というのは、自販機の売り切れランプがどうやら故障しており点いているのか点いてないのかわからないのだ。

一番欲しい いろはすの水 は売り切れランプが点いていないのにボタンを押しても出て来ない。

 

こうなったら何でもいいから出てこいっ!

お金を入れて片っ端からボタンを押してみるとガタン!とジョージアのブラックコーヒーが出て来た。

 

これじゃない。

今飲みたいのはお前じゃないんだ。

ザックにしまう。

 

諦めきれずにもう一回お金を入れる。

 

今度は慎重にコーヒーのボタンを避けて アタタタタタタタ とケンシロウばりに攻撃を加えてみた。

ガタン!

コーラだ!

 

しかもダイエットコーラとかじゃないスタンダードなやつ。

大当たりである!

 

この自販機でゲットしたコーラ、今思うとなにげに今回の旅でのターニングポイントになった気がする。五臓六腑に染み渡った。写真撮っておけばよかったな〜

 

そうそう、思い出したけれどね。自販機のそばにゴミ箱がないからといって、自販機の裏とかに空き缶、ペットボトルを捨てていく行為、ダメでしょう。まいね、まいね〜(津軽弁のつもり)。

こんなことしてると来年以降「みちのく津軽ジャーニー参加者はお断わり」なんて貼り紙されちゃいますよ。

ブリーフィングの際も注意喚起があったけれど、途中で立ち寄るコンビニなどでもとにかくお店に迷惑がかからないように普段の100倍ぐらい腰の低い客となり、再三の注意を払って利用した。

 

この辺りから歩きの割合が増えて来た。

上りは無理に走らない。

 

下を向くとキャップのつばから汗がボトボトと落ちる。

暑くて暑くて見上げたら28度。

へっ?そんなもん?!

アスファルトの照り返しで体感温度40度ぐらいに感じていた。

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やがて鯵ヶ沢町に突入。

おお、この辺がわさおのいる所なのか。

町の看板にもなっちゃってるのね。

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この手前にローソンがあったのだけどすぐにエイドだからスルーして進んだ。

そしてちょっとコースをロストしそうになりながら49.3km地点の日本海拠点館に到着。まだ1/3も終ってない。177kmって長いわ〜果てしないわ〜

このエイドでしっかり補給していくことにする。

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何を口にしたのかあまり覚えていないけれど、とにかくエイドにあるもの一通り食べた気がする。ランチパックが美味かったなぁ。

いつもすぐに食べられなくなってどんどん追い込まれるのが常だけど、この日は胃腸の調子は絶好調だった。定期的に飲んでいるパンシロンも効いている感じ。

 

次に目指すは67.4km地点の亀ヶ岡遺跡。約18kmの移動。

 

とにかく暑いので体力温存作戦で下りとフラットのみキロ8とかキロ9ぐらいで行く。

 

暫く進むと車が沢山停まっている所が。

ああ、これがわさおのいるところなのか。

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あまり寄り道はしないと決めていたけれど、ワンコ派としては寄らねばなるまい。

 

人でごった返しており、わさおはだいぶ面倒くさそうだったな。

完全に見世物のような感じになっていてかわいそうにも感じた。

お前、冬もこの小屋にいるのか? 大変だな。 と話しかけたりして。

 

俺も頑張るからお前も頑張れよ とアイコンタクトしてきくや商店を後にした。

 

何もない(いや、そりゃ多少民家とかはありますけどね)道をひたすら進む。

少々の疲れはあるけれど、まだ、体のどこも痛くない。

黙々と残りの距離を消化してく。俺はロボットなのだ。

 

私設エイドでソーメンをいただいた。

めっちゃ美味い。おかわりする。

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自分では自覚はないけれど、この頃からやっぱり色々余裕がなくなっている。

写真の構図もヘッタクレもなくなっているし、周りの情景とか入れられないぐらい視野が狭い。

 

やがて県道12号線にぶち当たる交差点にローソン。

500mlの水を体に掛ける用に買う。

弁当を買って食べているランナーもいる。

自分はそこまで空腹を感じなかったけれど、何か入れておかないとダメだと思って、さっきのエイドでも美味しく食べられたランチパックを探すも見つからず、仕方ないのでチキンサンドイッチを買う。

 

お前じゃないと拒絶されたコーヒーとともに食す。

これが疲れた体に沁みて沁みて大満足。

気持ちを新たに県道12号線をひたすら北上していく。

 

日が傾き始めた頃、第3エイドステーションの亀ヶ岡遺跡へ到着。

 

ここではお蕎麦をいただいた。

美味いわ〜 最高に美味いわ〜

素敵過ぎるおもてなし♪

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ランナー同士、雑談が交わされる。

もうとにかく暇すぎて話し相手が欲しいのだ。

このエイドで辞めるというランナーが現れざわつく。

一瞬その場にいた全員の表情が暗くなった気がするが、やがて「お疲れっ!俺の分までビール飲んで寝てくれ」などと冗談も出て来た。

 

自分的にはまだまだという気持ちであったけど、これから夜を迎えて次の95.3km地点の鰊御殿で身体がどうなっているのか、どんよりとした不安があった。

 

もうすぐ日没。

ヘッドランプとハンドライトを用意してエイドを出た。

夕焼けが綺麗だった。

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このエイドを出る時に何となく一緒になった横浜のS藤さんと進むことになった。

 

とりあえず7km先のファミマを目指す。

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その4へ続く